知らないと恐ろしい、高血圧と低体温の関係とは?
生活習慣病のトップに挙がる高血圧は、日本人の二人に一人の割合とも言われます。血圧が高いということは血気盛んで体温も高いと考えがちですが、近年女性や高齢者を中心に増加傾向にある低体温でも高血圧という場合があるのです。低体温と高血圧が引き起こす身体への悪影響について解説します。
低体温から高血圧へ進行
高血圧とは、心臓から送り出される血液の量が多くなり圧力が高くなる状態をさしています。高齢とともに血管の弾力がなくなり細くなることで、心臓から血液を送り出すために圧力がかかり、高血圧になりやすいことは否めません。さらに血液はさらさらの液体ではなく、コレステロールや中性脂肪などの脂質が含まれているため、ねっとりとした液状です。この脂質が増えることにより、血流が滞り高血圧になります。体温が低い場合も血液の脂質が冷えて固まってしまい、やはり血行障害、高血圧へと進行してしまうのです。さらに心筋梗塞、心不全、脳梗塞、高血圧性腎障害などの合併症をひきおこす危険も高いのです。
体温を上げ高血圧を抑制
血圧の下の方の値が高い場合、特に低体温が高血圧に影響を与えている可能性が高いと考えられます。この値は、心臓へ戻る血流が停滞していることを意味しています。新陳代謝が低下して低体温になっている可能性があるのです。低体温なのに高血圧の場合は、身体を温めることによって高血圧を抑制することができます。急激な温度差は、血圧を不安定にするため薦められません。足やふくらはぎ、下半身を全体的に暖めることで、心臓へ戻る血流が活性化します。腹部、腰、胸、首を暖めることでも体温を上げる効果があります。そのほか、低体温を改善するには、疲れやストレスを溜めないこと、身体に負担をかけない程度の軽い運動を心がけることで、基礎代謝も上がり体温を向上させるばかりか、心肺機能を活性化させて血管をしなやかに保つ効果も期待できます。
まとめ
50代から急激に増加する高血圧。低体温だから低血圧とは限りません。低体温なのに高血圧になるケースは少なくなく、合併症のリスクが高いので注意が必要です。塩分や脂肪分の摂取に気をつけるのはもちろんのこと、ストレスや疲れを溜めないように心がけましょう。身体を温め体温を上げる工夫や、適度な運動による代謝機能アップも欠かせません。