低体温が長く続く状態の時の排卵はどうなっているの?
女性のからだは、2種類のホルモンによって約28日周期で妊娠・出産のための準備を繰り返しています。月経後、卵巣では卵子の元となる卵胞が育ち一定の大きさになるとはじけて卵子を放出します。これが排卵です。排卵がなければ妊娠できません。ではなぜ低温期が続くと無排卵になってしまうのでしょうか。低体温と排卵の関係に迫ります。
排卵のしくみ
女性は生まれたときから卵巣内に卵子の元となる細胞(原始卵胞)を抱えています。そして妊娠できるからだになると、卵巣で成長した卵胞からひと月に1個だけ卵子が飛び出します。これが排卵です。だいたい月経が始まって14日前後に排卵がおこります。妊娠したい女性が排卵日を知るために計り始めるのが基礎体温ですが、毎日の体温をグラフにすると温度差が0.3-0.5度程度の低温期と高温期の2相に分かれるのが通常です。低温期から高温期への境界が排卵期といわれます。排卵された卵子は卵管に取り込まれ、精子との出会うことで妊娠に結びつきます。しかし妊娠しなかった場合は、子宮内膜がはがれ落ち月経となります。低温期に卵胞を成熟させ子宮内膜を厚くするのも、排卵後から体温を上げ受精卵が子宮内膜に着床しやすい状態をつくるのも、女性ホルモンがコントロールしているのです。
無排卵月経とは
近年は平熱が36度以下の低体温の女性が増えており、数ヶ月以上月経がないという無月経の人も少なくありません。また月経はあるものの月経不順で、基礎体温の低温期が長く続き高温期が現れないという人は、無排卵月経の疑いがあります。無排卵月経は、月経はあるものの排卵していない状態のことで、ホルモンをつかさどる脳視床下部の乱れが影響していることが多いようです。最近の生活習慣による低体温や冷え、運動不足のために、卵巣に十分な血液が運ばれないことも原因と見られています。無月経や無排卵月経は妊娠できないだけでなく、放置すると卵巣機能がますます低下する危険があります。ホルモン剤などによって卵胞の成長を促進したり、子宮内膜をきちんとはがして月経を整えたりする治療が必要になります。また体温を上げることができない黄体機能不全も不妊の原因のひとつです。
まとめ
低体温の状態が続くと、血行が悪くなり卵巣の働きが鈍くなって、無月経や無排卵などの女性にとって重大な病気を引き起こします。妊娠するためにも、女性ホルモンの分泌を促すためにも、身体を温めることが先決といえるのです。